瓶具黒墨の映画はプログラムがオモシロイ!

ビング・クロスビー映画のプログラムを中心に関連グッズをアップしていきます

プログラムについての参考図書、発見!


名画座関係の本を何冊か読んだんだけど、プログラムについてはズバリ書いてなくて
なんだか、痒いところに手が届かない状態

で、色々探していく中で
副題に「映画プログラムの時代」とあるズバリな本がありました

『映画は光と影のタイムトラベル』(加納一朗著 2005年 パピルスあい刊)
1928年東京生まれの著者が、実体験で書いていらっしゃるので
あ~そうなのね!と、得心できます

ということで、資料的なところを転記すると

プログラムの第1号は、浅草「帝国館」の「第一新聞」(大正5年)
その後、長い間は無料配布(P.20)

プログラムはやがて場末の小屋にまで浸透、これらは無料
一流館では十数ページのプログラム(P.43)
フィルムは1週間で次の2番館3番館に回っていたようなので
プログラムはどれだけの種類になるんだろう・・・

特記されているのは「武蔵野館」
大正の終わりには、上質紙で14ページとある(P.46)

1916年(大正5年)から戦争が激しくなる1944年までが無料の時代
戦後は、有料も多くなりどことも無料ということではなくなる(P.54)

プログラムから離れて終戦1945年の記述
8月の終戦までに公開されたのは邦画のみで22本
厭戦気分の増大から国策映画ではなく娯楽映画にシフト
『続姿三四郎』はその中の1本(P.79)
締め付ける一方なのかと思ってた


戦後、昭和21年2月にはCMPA(この本では、アソシエーションとなっている)が『春の序曲』と『キュリー夫人』を上映
通常3円の入場料が10円であったにも関わらず、観客が殺到したとのこと(P.91)

プログラムの有料化は1947年。ただし、紙不足のため粗雑な仙花紙のモノ(P.93)
映画館の入場料は、47年3月=10円、同9月=20円、翌48年8月=40円とあるけど、
プログラムの値段の記述無し。実物を入手しても、ほとんど定価表示がない
いったいいくらで売られて、どれくらいの人が買ったのかしら

現在聞く戦後の状態だと、食べるのに精いっぱいで娯楽にお金掛けれる様子が想像できないのだけれど・・・

以下、プログラムの値段の関係の箇所を拾ってみると
1947年暮の日劇=無料(P.101)
1947年3月開館のスバル座=15円(入場料は25円、ただし一般封切館の2倍)(P.107)
1950年代になると、封切館では館名入りプログラムが20~30円。それ以外は無料(P.128)

さすがに50年代公開のプログラムは表紙はカラーで、お金出しても買おうかと思わせる感じがするもんね